Burnum Burnum

バーナム・バーナム

　先住民の権利保護活動家であるバーナム・バーナムは、1936年にニューサウスウェールズ州南部に位置するワラガ湖畔近郊に住む、ワランジェリWurundjeriのヨルタ・ヨルタの一員として生まれた。幼少期を政府の宣教組織や児童養護施設で過ごした。この頃はハリー・ペンリスHarry Penrithというクリスチャンネームを名乗っていた。福祉当局の勧めでラグビー選手としての道を歩み、1950年代にはラグビー一部リーグの選手として活躍した。この後に先住民の権利保護活動家に転身し、1972年にはテント・エンバシーと呼ばれるオーストラリア先住民の大使館をキャンベラに設立し、1976年には祖父の名前にちなんでバーナム・バーナムと改名した。また、この時期にタスマニア博物館に展示されていたトルガニニの遺骸を撤去する活動を組織した。1984年には「遊牧民の勝利」という映画の提供を、歴史家のジェフリー・ブレイニーGeoffrey Blaineyとともに行った。オーストラリアへの植民開始から200周年となる1988年の「オーストラリアの日」には、イギリスのドーヴァーで先住民旗を掲げて国際的認知を求めた。晩年には児童向けの有名なストーリーテラーとして活動したほか、『バーナム・バーナムのアボリジナル・オーストラリア：旅行ガイド』Burnum Burnum’s Aboriginal Australia: A Traveller’s Guideを著した。彼は1997年8月18日に亡くなった。

　上谷昌平1507