Benefit societies

共済組合

　ベネフィット・ソサエティーズは19世紀半ばにオーストラリアのほとんどの都市や町でイギリスの形式にならって結成された、労働者階級の共済組合である。その多くは友愛協会でもあった。オーストラリアでの主要な協会には、オーストラリア出身者協会Australian Natives Association、フリーメーソン、オッドフェローズOddfellows、プロテスタント同盟、禁酒の息子Sons of Temperanceなどがある。このような協会は各種の式典に集団で参加し、手の込んだ旗と記章は8時間労働記念日のような市民の行進で誇示された。協会は生活が安定していない労働者達をその構成員とした。政府の年金がなかったので、構成員の納付金から基金を設立し、その利益から年金が支払われた。一家の稼ぎ手の男性が病気もしくは死亡したことにより、経済的に恵まれない人びとが主な受給者であった。構成員が死亡した場合、協会は葬儀の費用を負担し、またその未亡人に継続的な支援を与えた。協会と契約した医師によって供給される医療の援助も重要な特典であった。今日、それらは私的な健康、生命保険や幅広い財政的サービスを供給するものとして経営されている。

　渡辺健1507