Baptist Church

バプティスト教会

　バプティスト教会は、17世紀初頭にイギリスで成立したプロテスタントの一派で、日本語では浸礼教会と言われる。浸礼baptismaとは、全身を水に浸して罪を洗い清める、洗礼の一形式である。

　とくにウェールズやイングランド北部で勢力を強め、バプティスト宣教諸協会は「異教徒」の改宗を目的に、1800年代にはアジア・太平洋地域に宣教師たちを派遣した。記録に残っている中で、オーストラリアにおける最初のバプティストの儀礼は、1831年にシドニーで行われた。

　バプティスト派は、カルヴァンの予定説を採用した特定バプティスト派や、より厳格なバプティスト信者などいくつかの分派を含み、オーストラリアにおいては主要なプロテスト宗派の中でもっとも小さなグループである。バプティスト派の哲理として福音主義を信奉し、完全なる浸礼を通した霊魂浄化spiritual cleansingと再生rebirthが罪人の魂の救済には欠かせないとした。バプティストたちはアボリジナルや都市の貧困層のためのミッションを設立した。オーストラリアでの彼らの最初の宣教協会は1864年にアデレイドで設立され、国内伝道委員会the Home Mission Boardはオーストラリアの中央部でアボリジナルへの布教を継続し、各地に神学校なども建設した。

　州によって異なるが、バプティスト派は一般的にはメゾシスト派Methodists（18世紀前半に創始された、イギリス国教会改革派の一派。厳格な戒律と敬虔な信仰生活の実践を重視）や会衆派Congregationalists（個々の教会が独立自治を行い、教会員自ら牧師・役員を選ぶ）と比べ、やや社会的地位が低くみなされてきた。

　林恵1507