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Aliens
異邦人
オーストラリアの歴史を通してさまざまな意味を与えられてきたカテゴリーである。一般的な用法ではよそ者を示すために使われる融通性のある単語だった。イギリスやアイルランドからの移住者が圧倒的だったオーストラリアでは、エイリアンは、現地生まれの人と移民とを区別したのではなく、「母国」の人々とその子孫をヨーロッパ人(特に南欧系、東欧系)やアジア人から区別していた。特に戦争や高い失業率に起因する危機の間、たとえ長期在住や帰化の後——あるいはオーストラリア生まれの場合もある——であっても、オーストラリア社会の完全な構成員として外国人を受け入れることは、問題視され、時には拒否された。
1949年まで、オーストラリア国民という固有の地位がなかったので、エイリアンという言葉は、法律の上で、「イギリス臣民ではない人」もしくはアイルランド人ではない人のことを指した。1946年まで、外国人と結婚したイギリス臣民の女性は外国人だと考えられた。オーストラリア国民の地位は1948年国籍及び市民権法のもとで導入された。しかし、オーストラリア市民権とイギリス人の地位との関係は1984年まで続いた。
オーストラリア政府は、外国人の入国と国外退去、帰化と在留資格を規定した。20世紀にはオーストラリア連邦は憲法51条の19項と26項に含まれている権限に従って対処し、主な責任を負った。もっとも、いくつかの州で制定された法律は、土地の所有や職業の自由を制限する機能をもっていた。いくつかの法律は特に、生得的な人種に基づいて定義された下位集団の外国人に向けられていた。
陳怜美1507