Aussie

オジー

　オジーとは、第1次世界大戦期に現れた、オーストラリアまたはオーストラリア人を示す口語的な愛称である。後者のオーストラリア人とは現地生まれの、先住民ではない人を暗に示している。True blueやdinki-di、dinkumのような接頭語は、さらにこの特徴を強調する。戦時下において、オジーは楽観的で、不平を言わず、禁欲的なオーストラリア人の性格を示すために使われた。フランスでオーストラリア兵士が1918年に同名の雑誌を刊行し始め、その後シドニーで1931年まで刊行された。有名な曲‘Is he an Aussie, is he?’は1940年代に、この単語をいっそう普及させた。

　しかし、1960年代から1970年代にかけて、オジーはクロコダイル・ダンディーのポール・ホーガンに代表されるように、洗練さに欠け、粗野な傾向を示す人に対する侮辱的な単語に次第になっていった。たとえ嘲笑されても、単純で通俗的なオーストラリア人への誇りの要素は、雑誌『オジー・マガジン』Oz magazineなどには見られる。第2次世界大戦後にオーストラリアへヨーロッパから大量の移民が流入したため、オジーは「旧来の」オーストラリア人と、新しく入ってきた者とその子供たちを区別するためにも使われた。

　中村侑平1507