South Australian Register, The

『サウス・オーストラリアン・レジスター』紙

　『サウス・オーストラリアン・レジスター』紙South Australian Registerは1836年ロンドンにおいてにジョージ・スティーヴンソンGeorge Stevensonとロバート・トマスRobert Thomasによって『サウス・オーストラリアン・ガゼット・アンド・コロニアル・レジスター』South Australian Gazette and Colonial Register紙として創刊され、翌年にはアデレードで初めての新聞を印刷した。南オーストラリア植民地創設期に関するもっとも貴重な史料であり、人びとの生死、結婚、犯罪、建築、商売や風俗など多様な情報の宝庫である。また、ニュースを届ける新聞としての役割と同時に、町の歴史の記録簿としての役割も果たしていた。1839年には『サウス・オーストラリアン・レジスター』に改名された。政府批判を繰り返したために同年には政府公認の取り消し処分を受け、1842年には発行停止となった。その後ジョン・スティーヴンズJohn Stevensが1845年に再刊すると、1850年には日刊紙と週ごとの増刊号である『オブザーバー』Observerから成る新聞紙となった。

　1858年からは『アドバタイザー』Advertiser紙との長い競合関係が始まった。本紙が自由貿易を支持し反労働運動の立場をとっていたのに対して、『アドバタイザー』紙はより急進的な労働者保護を訴えるようになった。1900年には『レジスター』Registerと改名され、文芸欄でも名声を博するようになった。しかしながら、1929年からの写真導入は衰退を予告するものだった。『アドバタイザー』紙のオーナーであったJ・L・ボニソンが1931年に『レジスター』紙を買収し、『アドバタイザー』紙に統合された結果、『アドバタイザー・アンド・レジスター』Advertiser and Register紙となった。なお、統合されたその年の9月には廃刊となっている。

　上谷昌平1507