Daily Telegraph, The

『デイリー・テレグラフ』

　1879年7月1日に創刊されたシドニーの新聞。経営は当初、ワトキン・ウィンWatkin Wynneらによる共同経営だったが、1884年以降は有限会社の経営に移行した。『デイリー・テレグラフ』は、発刊して間もない頃には『シドニー・モーニング・ヘラルド』よりも劣った新聞であるとの評価があったものの、次第に評判を高め、発行部数を伸ばしていった。特に1884年のドイツによるニューギニア併合を報じた世界的なスクープは、『デイリー・テレグラフ』を一躍有名にした。政治的には『デイリー・テレグラフ』は、当時ニューサウスウェールズ州政府がとっていた自由貿易推進の立場を支持した。また、1890年代には連邦制反対派を支持した。

　1936年からは資本家のフランク・パッカーFrank Packerの経営の下、完全にタブロイド版の新聞となった。また、1972年には資本家のルパート・マードックRupert Murdochが経営するニューズ社によって買収された。そして、1990年にはシドニーの新聞であった『デイリー・ミラー』Daily Mirrorと合併し、新たに『テレグラフ・ミラー』Telegraph Mirrorとなったが、1996年に再び『デイリー・テレグラフ』へと新聞名を戻して現在に至る。

　齊藤丈晃1506