オーストラリア辞典
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Wonthaggi

ウォンサギー


ヴィクトリア中南部、メルボルンの南東132キロに位置する。
人口:5,887(1996)、4,797(1981)、4,225(1947)、5,593(1933)、3,223(1911)。


 地名はアボリジナルの言葉で「引きずること」、もしくは「家庭」を意味する語に由来するとされる。かつては先住民Boonwurrungの居住地であった。1826年にウィリアム・ホヴェルがケイプ・パターソンCape Paterson地域を探索し、その際、この地が石炭を埋蔵していることを報告している。1835年、サミュエル・アンダーソンSamuel Andersonがこの地に入植した。1859年から1864年にかけて、ケイプ・パターソンで石炭採掘が行われたが、船舶を停泊させるべき安全な場所がなく採算がとれなかった。採掘が始まったのは20世紀初頭のことである。1909年のニューサウスウェールズの炭坑ストで、石炭の供給がストップし、ヴィクトリア政府はウォンサギーにおける石炭開発を突然推進した。1910年に石炭の採掘が始まり、町が生まれ、鉄道が開通した。こうして、石炭産業が急速に発展した。その後も石炭産業はこの地の基幹産業であり続けたが、1968年にヴィクトリア州内の鉄道がディーゼル・エンジンに切り替えられるや、炭坑は閉鎖されることになった。現在、町の主要産業は食品産業へと移り変わっている。

 平野孝展・藤川隆男0503