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Wilcannia
ウィルカンヤ
ニューサウスウェールズ北西部の町、シドニーから北西965キロに位置する。
人口:688(1996)、982(1981)、623(1933)、1,424(1881)、264(1871)。
地名はアボリジナルに由来し、「洪水の水が逃げ出す土手の隙間」、または「野犬」という意味であるが、どちらの意味も言語学的には立証されていない。1859年フランシス・カデルがダーリング川をさかのぼりこの地付近に達した。1860年に郵便局が建てられ、1865年に町の用地の調査が行われた。翌年には町として公示され、最初の商店が建てられた。1873年、『ウィルカンヤ・タイムズ』が発刊され、1870年代には金鉱に向かって西へ伸びる駅馬車の中継基地があった。1879年には病院が建てられた。ニューサウスウェールズ北西部からの大量の羊毛がこの町の港で積み込まれていた1880年代から1890年代にかけては、オーストラリアで3番目に大きな内地の港町であり、メニンディーよりも重要な町になった。1881年には自治体となり、かつて図書館であった今の博物館が1883年に建てられた。1888年には、警察署、刑務所、裁判所が建てられた。1896年に橋が開通したが、1920年代の車輸送の到来とともに町は衰えた。19世紀の末には、人口も3,000人を超え、移民ガイドにも記載されるほど重要な町であったが、河川交通の没落で現在は白人入植者のほとんどが去り、住民の大部分が先住民アボリジナルに変わっている。現在、町の人種対立は激しく、商店は鉄格子で守られている。
見国祐也・藤川隆男1202