universities
大学、ユニヴァーシティ
1850年、オーストラリア初の大学、シドニー大学が設立された(52年に教育開始)。続いて1853年にメルボルン大学が設立された。初期の大学設立は植民地の自立や金発見による社会の変化・発展と同時に進行した。初期の大学は植民地人の文化的財産の重要なシンボルであり、リベラルな教育によって道徳的・社会的改善を試みようという動きは各植民地に広がり、1874年にアデレイド、1890年タスマニア、1909年クィーンズランド、1911年西オーストラリアと、各植民地(州)が大学を持つようになった。中等教育が発展していなかったことなどから、初期の大学は小規模なものであった。
大学にとっての転換期は第2次世界大戦である。第2次世界大戦後、大学は急速に拡大した。1946年にはオーストラリア国立大学が誕生し、1980年代に大規模な大学となるニューサウスウェールズ大学は、1949年にニューサウスウェールズ工科大学として設立された。シドニー大学のカレッジとして1938年に建てられていたニューイングランド大学は、1954年に独立した大学となった。こうして、各州に2つ目、3つ目の大学が建てられるようになった。1958年モナシュ大学(メルボルン)、1963年マクウォリー大学(シドニー)、1964年ラ・トロウブ大学(メルボルン)、1971年グリフィス大学(ブリスベン)、1976年ディーキン大学(ジロング)などは新たに生まれた大学である。これによって大学入学者数は、1939年の14,236人から1980年代半ばには20万人に増えた。
1988年からユニヴィーシティの称号が他の高等教育機関にも付与され、教育機関の合併や統合が急速に進んだ。現在にオーストラリアの大学はアメリカや日本と同じく大衆化されている。
山崎雅子01