オーストラリア辞典
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Swan Hill

スワン・ヒル、スウォン・ヒル、スワンヒル


ヴィクトリア北西部、マリー川の南岸、メルボルンの北西約340キロに位置する。
人口:9,385(1996)、8,398(1981)、4,305(1947)、1,769(1911)、44(1854)。


 地名は1836年探検家トマス・ミッチェルによって、一晩中騒がしく睡眠を妨げたブラック・スワンにちなんで名づけられた。かつて公式にはCastle Donningtonと命名されたが、住民はスワンヒルの名を使い続けた。もとはアボリジナルのウェンバウェンバの人々が居住していたと考えられている。1836年にスクオッターが進出し、46年タインタインダー牧場(現存する)が建設された。1848年には宿屋と雑貨屋が渡し場に開店し、翌年郵便が始まった。1853年にはフランシス・カデルFrancis Cadellが蒸気船でここに到着する。その後19世紀後半は河港として栄えた。1864年に最初のタウンの土地の公売が行われ、71年に地方自治体になった。鉄道の開通で発展は加速し、1890年スワンヒル潅漑水供給組合が設立され、1906年には政府に引き継がれている。製粉工場なども開設されたが、労働争議によるロドニー号の焼失の舞台にもなった。また1896年には税関が設けられた。しかし、1920年代に桟橋は利用されなくなった。1939年自治体となり、65年にシティとなった。観光用にスワンヒル・パイオニア・セツルメントが1961年にオープンしたが、これは19世紀の河港の町を再現したものである。現在、周辺地域は農業地帯であり、灌漑によって果物や野菜が栽培されている。

 藤川隆男0303