swagman

放浪労働者、スワッグマン

　オーストラリア各地を放浪して働いた人々のことである。名前の由来は、彼らが棒で肩にかけて吊るしていた所持品や寝具を指すスワッグswagに由来する。彼らは地方を放浪し、農場や牧場での季節労働を捜した。彼らの多くは道路付近でキャンプしていたが、しばしば一夜の宿や食糧を労働報酬として受け取った。彼らの移動する姿はon the wallabyと言われた。彼らの特徴は、ハエから視界を守るために帽子から吊るしたコルクと、荷物に掛けていたビリー（湯沸し道具）である。多くは1人で移動したが、中には夫婦で移動した人々もいた。1890年代と1930年代の不況期に広く見られ、オーストラリアの民間伝承の一部となっている。

　夕暮れ前に農場主から食糧や宿を提供される彼らの姿から、サンダウナーsundownersという言葉が生まれた。ウォルシング・マティルダWaltzing Matildaはスワッグマンを描いた最も有名な詩である。

　菅原潤哉00