Strutt, William

ストラト、ウィリアム

　1825年7月3日、イングランドのデヴァンのティンマスに生まれる。幼少期をフランスで過ごし、1830年代後半に再度フランスに渡り、パリで絵を学び、本のイラストレイターをしていたが、1850年7月、健康を回復するために、メルボルンに渡ってきた。

　メルボルンで彼はジョン・パスコウ・フォークナの支援を受けて創作活動を行った。彼の描いたイラストはthe Illustrated Australian Magazineなどに掲載された。フォークナのすすめで、植民地で起きた重大なでき事を数多く絵に描いた。肖像画を多く描き、フォークナをはじめ、ジョン・オシャナシーやオハラ・バークといった人々を描いている。アボリジナルや騎馬警官の水彩画も残した。1855年から56年には、ニュージーランドに滞在し、マオリやその景観を描いている。メルボルンに戻ると、ニコラス・シュヴァリエなどとともにヴィクトリア美術協会を設立した。1862年にイングランドに戻った後は、動物を描いた絵で知られた。彼の作品の中で最もよく知られているものとしては1862年から64年に制作された「暗黒の木曜日」Black Thursdayが挙げられる。この作品は1851年2月にヴィクトリアで起こったブッシュファイヤーの惨状を描いたものである。1915年1月3日、サセックスで死亡した。

　渡部滋之1201