Spanish Influenza Pandemic (1918-1919)

スペイン風邪の大流行

　世界的なスペイン風邪の大流行は、第1次世界大戦の終りから戦間期にかけて起こり、およそ2千万人から3千万人の死者が出た。オーストラリアにおける最初の罹患者は帰還兵たちであり、彼らによってこの病気が国内に持ち込まれた。オーストラリアにおける最初の症例の報告は、1919年1月22日のメルボルンであり、数日後にはシドニーで大規模な流行が始まった。この流行に対して、いくつかの州間での検疫の導入や、公的施設の閉鎖、マスクの着用、予防接種といった予防策がとられたが、1919年末までにおよそ1万2,000人のオーストラリア人が死んだ。その半数はニューサウスウェールズに集中していた。

　平野孝展00