Royal Flying Doctor Service of Australia (RFDS)

フライング・ドクター・サーヴィス、航空医療サーヴィス

　医療サーヴィスをオーストラリアのアウトバックに無線や航空機を使用して提供する組織である。ジョン・フリンJohn Flynnが中心となって、1928年に母体となる航空医療サーヴィス組織が創設された。フリンはヴィクトリアの学校教師であったが、1911年にプレスビタリアン教会の牧師となった。彼が指導者であるオーストラリア内陸部伝道会Australian Inland Missionの支援のもと活動が開始され、クィーンランドのクロンカリーを基地とし、カンタスの協力のもとに医療サーヴィスの提供が行われた。

　1930年代に州政府が主な活動を担うようになり、国民航空医療サーヴィスNational Aerial Medical Serviceとして事業が拡大された。1942年にオーストラリア航空医療サーヴィスFlying Doctor Service of Australiaとなり、1954年にRoyalの名称が付け加えられている。

　戦時には国防委員会の管理下で、航空医療に中心的な役割を果たした。1960年にはタスマニアにも活動を広げており、シドニーを本部としてオーストラリア全土をカヴァーする組織になった。航空医療サーヴィスのために整備されたインフラは、電報の配信や無線による教育に利用されている。

　菅原潤哉00