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Rocks, the
ザ・ロックス
シドニー入り江西側の地域で、最も古く歴史的な土地の1つ。その名前はそこに大きな砂岩があったことに由来する。町はサーキュラー・キーの西側にそびえていた砂岩の険しい崖の中に作られた。仮の建物が1788年という入植が始まった時期にここに建てられ、そのほとんどは海運、防衛、商業目的だった。1792年の総督フィリップの都市計画は、入り江の東側にあった彼の家を取り巻く行政区域から囚人地区や兵舎を分離し、西側へ追いやるものだった。1820年代には、人々はこの地域をロンドンの悪名高いセント・ジャイルズSt Gilesのスラムになぞらえた。実際には、この町はまったくの粗野な町というわけではなかった。海沿いにはパブと、港湾労働者や水夫が住んでいた安い下宿屋が並んでいたが、狭い通りや急勾配の砂岩の階段を通って行けば、船長や比較的豊かな労働者が住む快適な集合住宅があった。
この地域の初期の歴史は、Grace Karskensが研究し、The Rocks: Life in Early Sydney(1997)にまとめた。19世紀の後半までに、この地は犯罪者、売春婦、酔っ払い、非行少年のために評判が悪かった。1900年のペストの流行は、主な土地所有者である海運業委員会による大規模な再開発の原因となった。しかし、第2次世界大戦後のさらなる再開発計画と、高層オフィスやアパートを含む歴史的建築物の建て替えは、居住者が労働組合や環境保護主義者と提携し、開発停止を要求したときに棚上げにされた。
現在のロックスでは、19世紀の建物のほとんどが保護、復元され、シドニーの重要な観光名所となっている。
山口典子・藤川隆男0203