オーストラリア辞典
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Port Lincoln

ポート・リンカーン


南オーストラリアの中南部、アデレイドの西692キロにある港町。
人口:11,678(1996)、10,675(1981)、5,871(1954)、1,280(1911)、465(1891)、530(1881)。


 スペンサー湾の西側湾口近くに位置する港町。現在町がある場所は、1802年マシュー・フリンダーズにより、彼の生まれ故郷であるイギリス、リンカーンシアにちなんでポート・リンカーンと名づけられた。ボストン湾の一部であり、かつてはアボリジナルのNawuの土地であった。

 現在はオーストラリアで最大の漁港になっている。また、同港はエア半島の主要港でもある。一時南オーストラリアの首府にと提案されたが、港の出入り口が安全でないという理由でライトに拒絶された。冬の気温は7月で8.4-15.9℃、夏は1月で15.7-25.5℃であり、年間の平均降水量は486ミリである。

 1839年に入植が始まると同時に港となり、1840年には半島最古のリンカーン・ホテルが開業した。1850年に近くのプーニンディーPoonindieに、マシュー・ヘイルにより、アボリジナルのためのミッションが開設された。同年、聖トマス・アングリカン教会が完成し、裁判所が62年に開設された。1907-26年には半島の農業地帯と鉄道で結ばれ、港としての重要性が高まり、第2次世界大戦後には観光地としても重要となっている。水産加工業や日本市場向けのマグロの生産、肥料の生産が活発に行われており、オーストラリア最大の漁船団を有するだけではなく、魚などの養殖も盛んに行われている。マグロ漁で成功したものの中には、百万長者になったものも多い。漁師の中にはイタリア系の移民の子孫が多く見られる。

 石光崇昭・藤川隆男0403