Port Augusta

ポート・アガスタ

　スペンサー湾の最深奥部に位置する町。地名は、1848年から1854年まで南オーストラリアの副総督を努めたヘンリー・エドワード・フォックス・ヤングの妻の名に由来する。白人の入植以前はNukunuのアボリジナルの居住地であった。

　1802年にマシュー・フリンダーズがスペンサー湾を探検し、1839年にはジョン・エアがここを通過した。1852年にハーバーが命名され、1854年に初めてアデレイドへ羊毛が出荷されて以来、内陸地域からの羊毛を輸送する重要な港となった（1973年まで）。1860年から1882年に建てられた駐屯兵の兵舎や1866年に建てられたタウン・ホールが残る。1866年には内陸交通に利用するためにラクダが初めて陸揚げされた。1875年に公式にタウンとなった。その後、羊毛と小麦産業の不振により衰退するものの、1912年から1917年に大陸横断鉄道が建設されたことで回復し、1937年にはポート・ピリーからの鉄道が開通した。1954年に発電所が設けられ、この電力によって町は発展し、1963年にシティとなった。アデレイド、フリンダーズ・レインジズ、アリス・スプリングズ、パース、ワイアラからの交通が集中する場所として知られ、鉄道会社の作業場と2つの発電所が主な産業となっている。フライング・ドクターの基地もあり、地域の医療サーヴィスの拠点になっている。

　吉田祥子・藤川隆男0403