オーストラリア辞典
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Parliament

議会



 オーストラリア連邦及び州、19世紀においては植民地の二院制の立法府を包括的に指す場合に用いられる一般的な名称。ニューサウスウェールズでは1823年に、ヴァンディーメンズランドでは1825年に、西オーストラリアでは1832年、南オーストラリアでは1842年に任命制の立法評議会Legislative Councilが初めて開かれた。選挙で選ばれた代表を含む立法評議会は、1843年にニューサウスウェールズで、1851年にはヴィクトリア、南オーストラリア、ヴァンディーメンズランド、1870年に西オーストラリアで初めて開かれた。二院制議会はヴィクトリア、ニューサウスウェールズ、南オーストラリア、タスマニアでは1856年に、クィーンズランドは1859年に、西オーストラリアでは1890年に初めて開かれた。立法議会(下院)Legislative Assembly(南オーストラリアだけはHouse of Assembly)の議員は、選挙によって選ばれた。男性の普通選挙権が導入されたのは、南オーストラリア1856年、ヴィクトリア1857年、ニューサウスウェールズ1858年、クィーンズランド1859年、西オーストラリア1893年、タスマニア1900年である。また、女性の選挙権は、南オーストラリア1894年、西オーストラリア1899年、ニューサウスウェールズ1901年、タスマニア1903年、クィーンズランド1905年、ヴィクトリア1908年に導入された。西オーストラリアの立法評議会の議員は、1890年から1893年までの間推薦されていたが、その後は選挙で選ばれた。ニューサウスウェールズの立法評議会の議員は1934年までは推薦され、それから1978年まで直接選挙はなかった。クィーンズランドでは、1922年には立法評議会が廃止されたが、それまでは推薦によって議員が決まっていた。ヴィクトリア、西オーストラリア、南オーストラリア、タスマニアでは選挙が行われていたが、財産、職業、教育、年齢といったものによる制限選挙であった。これらの州の制限選挙は1950年から1973年の間に廃止された。憲法によると、連邦議会The Parliament(of the Commonwealth)は、女王と上院Senateと下院House of Representativesで構成されている。上院、下院ともに1901年に初めて開かれた。両院とも議員は選挙によって選ばれ、各州の下院の有権者は、連邦議会の上下両院の議会議員選挙で選挙権を行使する。男女普通選挙権は1902年に導入された。

 松本圭一0601