オーストラリア辞典
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Nhill

ニル


ヴィクトリア中西部、メルボルンの北西373キロに位置する。
人口:1,890(1996)、2,067(1981)、2,251(1966)、1,102(1891)。


 地名の由来についてはいろいろな説がある。1845年に2人のスクオッターが、アボリジナルがNyellと呼んでいた大きな沼地のそばに農場を建てたことによる、というのが最も有力な説である。かつてこの地域にはWergaiaのアボリジナルが居住していた。1850年代のゴールドラッシュの時期には、南オーストラリアではメルボルンの沼地Melbourne Swampsと呼ばれていた。というのは、アデレイドからメルボルンへの主要なルート上にあったからである。1877年に農業地として開発が始まり、小麦が栽培されるようになった。旅行者がキャンプ地として使っていた後のニル湖のほとりに、1880年に村が建設された。町の主要な施設の多くは、この年の前後に建設された。マリー自噴井の開発が1886年に始まり、その後何十年間にもわたって村に水を供給した。同年に鉄道が開通し、1888年には警察署も立てられた。1892年にヴィクトリアの地方都市で初めて電燈を備えた町になった。町は小麦ベルトに位置し、町の中心部には巨大な穀物サイロが存在する。1897年の竜巻で多くの建物が破壊されたが、1988年建築の郵便局はこの災厄をのがれ、当時の姿をとどめている。

 藤岡真樹・藤川隆男0303