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New Protection
ニュープロテクション、新保護主義
生活水準の保護を目的とした20世紀初頭の一連の社会経済政策。アルフレッド・ディーキンら保護主義者が主導する連邦政府によって採用された。それはまず第1に「公正で妥当な」賃金を支払う業者を保護しようとするものであった。このような考え方はオーストラリアでは1890年代から議論されていた。労働党の支持を得たディーキン政府は、1905年から08年の間にこれらを実行しようとした。それは物品税法(1906)やオーストラリア産業保護法(1906)のような法律に導入された。これらの法律は新保護主義を、奨励金や物品税払い戻し、規則、制限といった手段によって導入しようとするものであった。
ハーヴェスタ判決は新保護主義の1つの成果であった。労働党は1908年に新保護主義を党の政策に組み入れた。しかし、連邦最高裁判所は新保護主義の法律の多くは憲法上無効であるとした。また、新保守主義による生活改善がこれ以上望めないと考えた労働党が、ディーキンらの保護主義者から離れると、ディーキンらは保守合同によって新政党を結成し、新保護主義は歴史的役割を終えた。
片平建史01