National, Denominational Schools Boards

二重教育行政、二重教育制度

　オーストラリアにはじめに作られた学校は教会学校であり、植民地政府は学校設立に出遅れた形となった。そのため、教会が設立した学校が有力な勢力として、公立学校と並存していた。これを、それぞれ異なった政府の行政システムの中に組み込んだのが二重教育行政である。

　ニューサウスウェールズにおける二重教育行政は、フィッツロイ総督の下で完成した。宗派学校委員会と国民学校委員会が作られ、それぞれまったく異なる学校管理が行われた。二重教育行政が行われている間、宗派立学校は委員会から多くの助成金を得ており、政府の財政負担も大きくなった。さらには宗派ごとの教育格差、辺境地域の学校不足などが問題となった。19世紀後半に、二重教育行政が廃止される際には、助成金の存続も大きな問題となった。

　山崎雅子0601