Naracoorte
ナラコート
南オーストラリア南東部、アデレイドの南東338キロに位置する。
人口:4,674(1996)、4,758(1981)、2,202(1947)、264(1911)、899(1881)。
アボリジナルの言葉で「大きな水たまり」あるいは「流れる水の場所」という意味のnarcootに由来している。かつてはモスキートウ平野Mosquito Plainsとして知られていた。ヨーロッパ人入植以前は、Meintangkのアボリジナルが居住していた。1842年にロバートソン兄弟によって牧場が建設され、ナラコート牧場も同年ジョージ・オームロッドによって建てられた。1847年にキンクレイグKincraigとして知られる町が設立されたが、1849年に政府はナラコートの町をこの町の北にレイアウトした。キンクレイグの住民の抗議にもかかわらず、郵便局、警察署、裁判所がこの新しい町に1865年に建設された。ヴィクトリアでのゴールド・ラッシュが起こると、町は移動する金鉱夫や物資の輸送の中継地として栄えるようになった。コマーシャル・ホテルは1861年、セント・アンドルーズ長老派教会は1874年、鉄道は1876年に建設された。地域のアボリジナルの抵抗は1870年代まで続き、ナラコート洞窟が発見されたのは、牧場主などが失われた家畜などを捜索している最中であった。1924年には自治体になった。
農業の繁栄により町は1930年代に成長し、南オーストラリア初の地域美術館が1968年に開館した。町は穀物、畜産物、日用品を産出し、近くにはNaracoorte Cavesと呼ばれる少なくとも60の洞窟があり、その4つが一般に公開されている。その中で17万年以上前に絶滅した動物の化石が発見された。現在、洞窟は世界遺産に登録されている。ナラコートの町のツーリスト・センターには、1870年建築の製粉所を利用した羊毛博物館が併設されており、地域の羊毛産業の発展を紹介している。
西川俊紀・藤川隆男0303