オーストラリア辞典
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Mount Gambier

マウント・ガンビア


南オーストラリアの南東部、アデレイドの南東439キロに位置する。
人口:22,037(1996)、20,813(1986)、19,880(1981)、10,331(1954)、5,542(1933)、2,403(1881)。


 町の名前の由来となった死火山は、1800年にジェイムズ・グラント中尉により発見され、コペンハーゲンの戦いで指揮をとったガンビーア提督にちなんで命名された。町は以前ガンビア・タウンGambier Townとして知られていたが、1954年に市に昇格し、現在の名になった。火山が最後に活動したのは約5,000年前、ヨーロッパ人による初登頂は1839年のことである。

 白人による入植以前は、Bungandijのアボリジナルが住んでいた。この地域の最初の住居は、スティーヴン・ヘンティーにより1841年に建てられた。ヘンティー家が退いた後、南オーストラリアからの入植が始まり、集落が生まれた。町は1854年にヘイスティングズ・カニンガムにより設立された。最初の修道院は1857年に建てられた。1860年代に建てられたギフォーズ・ホテル、刑務所、旧裁判所、クライスト教会といった建物は、何れも国の重要な文化財である。1876年には自治体になった。アデレイドからの鉄道は1879年に開通した。1870年代には、この地域の自然林が大幅に伐採されたので、森林局は針葉樹林の植林の方針を固めた。タウン・ホールは1882年に建設された。バレエ・ダンサー、振付家、俳優であるロバート・ヘルプマンRobert Helpmannは、1909年ここで生まれた。州立製材工場は1958年に開業した。地方文化センターが設立されたのは1976-77年のことである。

 町は山の斜面にあり、近くには噴火口跡の4つの湖がある。このうちの1つを利用して1884年にブルー・レイク給水所が造られた。平均気温は冬場で4.7-13.1℃、夏場で10.8-25.6℃、平均年間降水量は712ミリ。町の主要産業は製材業、製紙業、チーズの生産であり、観光産業もきわめて重要である。またこの地域は放牧、園芸、林学、酪農にも利用されている。ブルー・レイクは観光の最大のスポットであるが、周辺には旧火山や洞窟など見所が多い。市内にも、旧タウン・ホールや前述の建物など19世紀の美しい建築が多く残っている。

 左近幸村・藤川隆男0403