Mannum

マナム

　地名はアボリジナルの言葉に由来するとされる。かつてはナリンジェリー Ngarrindjeriのアボリジナルの居住地であった。1830年に現在の町のある場所をチャールズ・スタートが通過し、41年にE.J.エアがこの付近に牧場を設けた。1853年にウィリアム・ランデル船長が蒸気船メアリ・アン号の試験走行を行い、マナムの町のあたりがマリー川の水運交通の1つの拠点となった。マリー川を下った羊毛の一部はここで陸揚げされて、アデレイドへ運ばれた。1864年に正式に河港となり、68年に町の測量が行われた。1870年代からドイツ人入植者が町の周辺に定着し、穀物生産も盛んになった。1898年にはデイヴィド・シアラーがオーストラリアで最初の蒸気自動車を製作した。また、1854年にはアデレイドへマリー川の水を輸送するためのパイプラインと取水場とが完成した。1897年に建造された外輪蒸気船マリオン号が、観光用に運航されている。

　藤川隆男0303