Lismore
リズモー
ニューサウスウェールズ北東部、シドニーの北776キロに位置する。
人口:28,380(1996)、24,033(1981)、15,214(1947)、7,609(1911)、93(1871)。
スコットランド、アーガイルシアの島名にちなんで名づけられた。もともとはおそらくゲール語の「大きな庭」を意味する。ヨーロッパ人の入植以前には、バンジャラングのアボリジナルの居住地であった。1828年にキャプテン・ラウスCaptain Rousがリッチモンド川に来て以来、この地方の杉伐採者らは切り出した材木を、下流にある将来の町の場所に向けて、川に流して送りつけた。このために、町は重要な材木積み出し港となった。
1842年には後のリズモー牧場が開設され、1855年には村が測量され、翌年公示されたが、当初、人口の伸びは緩やかであった。より集中的な入植は1861年のロバートソン土地法を受けて行われ、とくに1870年代には盛んになった。この当時、作物は主にトウモロコシが中心であったが、後にサトウキビ栽培なども導入された。1879年に郵便局が開設され、自治体が置かれた。1870年代には教会や銀行、裁判所、新聞社などが開設され、80年代には役所、郵便局が建設され、水道やガスの供給も始まった。以後、町の発展は順調に進み、1894年、マーウィランバーMurwillumbahまで鉄道が開通し、1899年には、スプリング・ヒル協同組合乳製品加工場が創業された。しかし、酪農業の本格的な発展は今世紀に入ってからのことであった。1946年にシティとなった。1951年、治水センターが開設され、1950年代初めからは、バナナなどの市場向け熱帯果物の栽培が開始された。町には熱帯雨林を室内に再現した興味深いトゥーリスト・センターがある。また、新古典様式の裁判所(1883)やアール・ヌーヴォー様式の郵便局(1897)、聖アンドルー教会など興味深い建築物がある。
平野孝展・藤川隆男0403