オーストラリア辞典
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Lasseter's reef

ラセッタの鉱脈



 オーストラリア中央部にあるといわれる伝説の金鉱脈。1929年から1930年にかけて、ルイス・ヒューバート(ハロルド・ベル)・ラセッタが、何年前もに巨大な金鉱脈を見つけたと主張した。大恐慌という時代を背景にして、1930年に、ラセッタがガイドし、フレッド・ブレイクリの指揮の下、7人の探検隊がアリス・スプリングズを出て、この鉱脈の探索に向かったが、まったく何も見つからなかった。事故や荒れた土地、そしてラセッタに対する疑惑などにより、ラセッタを除く探検隊の全員が探索を断念したが、彼は探索を続け、1931年1月、ペータマン山脈Petermann Rangesで餓死した。1931年に捜索隊が彼の死体を発見し、埋葬した。彼の日記には、鉱脈を再度発見したと書かれていた。アイオン・イードリスIon Idriessの小説『ラセッタの最後の旅』(1931年)やブレイクリの報告書Dream Millions(1972年)によって、この伝説は今も生き続けている。ラセッタの鉱脈を見つけようとする試みは、他にもいくつもあったが、失敗に終わっている。こうした失敗によって、ラセッタの主張は誤りであったとされるが、一方でオースティン・ステイプルトンは著作 Lasseter Did Not Lie!(1981)のなかで、ラセッタの主張を支持している。アリス・スプリングズとウールルーを結ぶラセッタ・ハイウェイは、この伝説から名を取ったものである。

 山口典子00