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larrikins
ラリキンズ、ラリキン
不良少年やギャングを意味しており、オーストラリアのフーリガンと考えてよい。ラリキンは1870年代以降にメルボルンやシドニーの町を徘徊していた労働者階級の乱暴な若者の集団を指しており、彼らは特色のある服を着て暴力沙汰やレイプ、殺人を行ったとされる。
アイルランドの警官のlarkingという言葉の発音に由来すると言われるが、一般的にはイギリス起源の言葉とされている。当時の雑誌記事などはラリキンの典型的な外観に言及しており、権威に対する反発や軽蔑の態度を示した彼らは、公衆に対して危害を加える暴力集団として批判されていた。
しかしながら、実際に彼らが人々に与えた危害は誇張して報道されていた。マーク・トウェインは1897年にオーストラリアのラリキンの行動や外見は、イギリスのそれよりもはるかによい、と書き記している。またデニスC.J.Dennisは、叙情詩The Sentimental Bloke(1915)などの中で、ラリキンをセンチメンタルで、ユーモアに満ちた若者として描いている。時代が下るにつれて、ラリキンはオーストラリアのナショナル・アイデンティティの象徴として、親愛の目でみられるようになった。
ラリキンズを扱った文献としては、James MurrayのA Nineteenth-Century Outrage(1973)が有名である。またClem GormanのThe Larrikin Streak(1990)では、ラリキンをきわめてオーストラリア人的な人々として称えている。
菅原潤哉00