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Jindyworobak Movement
ジンディーウォラバック運動
ジンディーウォラバック運動とは1938年に始まった民族主義的な文芸運動のことを指す。レックス・インガメルズReginald Ingamellsにより創設された。それはオーストラリア特有の、先住民アボリジナルの芸術や文化を見直そうというものであった。アボリジナルのワイワルングの言葉であるJinyworobakの意味は、「付け加え、くっつける」という意味である。オーストラリアには先住民アボリジナルの文化と入植した白人の文化の2つが存在している。その異なった2つの文化意識を統合しようと試みる芸術家にとって、Jindyworobakという言葉はスローガンとなった。この運動家たちはアボリジナルの精神を取り込もうとし、それを絵画や詩などで表現した。しかしアボリジナルの言葉をしばしば誤って使ったので、アバンギャルドに属する芸術家たちからの嘲笑を受けることになった。この運動を押し進めた詩人たちによる詩集は1953年まで出版され、ローランド・ロビンソンやジェフリー・ダットン、ジュディス・ライトなども寄稿した。
師井学・藤川隆男0203