Hargrave, Lawrence

ハーグレイヴ、ローレンス

　航空学の先駆者。英国に生まれ、教育を受ける。15歳の時にオーストラリアに移住した父に合流し、法律家を目指すが、試験に失敗する。1867年にオーストラレイシア蒸気船会社の工学技術の仕事に就き5年間働いた。1872年からはゴールドラッシュにわくニューギニア探検にいく度か参加した。1879年からシドニー天文台での観測助手を経た後、父から受け継いだ資産からの年収が1,000ポンドに達した。1883年以降、この資金によって、航空学原理の研究に全力を尽くした。

　1894年11月12日には、4つのボックスカイト（箱型凧）を用いた模型飛行機を建造し、彼自身が乗って4.8メートルを飛ぶという実験に成功した。その後も有人飛行用の蒸気機関の製作に努めたがことごとく失敗し、1903年ライト兄弟の飛行の成功の報に接した。社会的には適者生存と自由競争を主張する、社会ダーヴィニストであり、第1次世界大戦が始まると、65歳で軍役に志願したとされる。彼自身の実験の多くは失敗したが、その業績は近年再認識され、ボックスカイトとともに彼の肖像は20ドル札に採用された。ハーグレイヴは他の国々の航空先駆者たちにも影響を与えたとされている。1915年、腹膜炎によって死亡する。

　遠藤貴弘0901