オーストラリア辞典
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Great Barrier Reef

グレート・バリア・リーフ、グレイト・バリア・リーフ、グレートバリアリーフ


クィーンズランド中北部海岸沖合、全長約2,000キロに及ぶ世界最大の珊瑚礁


 この地域の地名が初めて記述されたのは、おそらくマシュー・フリンダーズによってである。珊瑚礁はトレスやクックなど初期の航海者たちによって言及されていた。1802年、マシュー・フリンダーズがこの地域に関するより詳細な情報をもたらした。その後は測量調査も行われ、1819年から22年にかけてはフィリップ・パーカー・キング、1839年にはJ.C.ウィッカムとジョン・ロート・ストークスが続いた。1848年には、トマス・ハクスリーが2週間かけてリザード・アイランドの測量を行い、標本を収集した。珊瑚礁の科学的調査が初めて行われたのは、1843年、J.B.ジュークスによってである。1922年に調査活動の促進のためにグレート・バリア・リーフ委員会が設立されたことで、1928年から29年にロンドン王立協会による調査が行われ、1951年にはカプリコーン諸島のヘロン島Heron Islandに海洋生物学研究所が設立された(現在はクィーンズランド州立大学が運営)。

 この地域への旅行者が増加するのは、1899年のタウンズヴィル沖合のマグネティック島のリゾート開発が最初であるが、本格的な増加は1930年代にブランプトン島とリンデマン島のリゾートが発展して以降である。ケアンズ沖合のグリーン・アイランドGreen Islandへのツアーは1928年に始まり、1937年には船底をガラス張りにしたボートが初めて導入された。島はクックによってエンデヴァー号の測量士チャールズ・グリーンにちなんで命名された。グリーン・アイランド海洋生物学研究所が1956年にノエル・モンクマンによって設立され、島は1974年に海洋公園となった。1960年代初めのオニヒトデの大量発生はグリーン・アイランド周辺の珊瑚礁を脅かした。このような大量発生はその後各地で頻発し、その原因と対処法をめぐって議論を巻き起こした。1960年代後半の資源開発と保護をめぐり、環境問題が表面化することになった。1970年から72年にかけて連邦王立委員会が設置された。1981年の世界遺産に登録され、海洋部分は連邦政府の直轄化に入ったが、島はクィーンズランド州が管理している。オーストラリア国立博物館が1970年代にリザード・アイランドに調査施設を設立し、1973年にオーストラリア海洋科学機関がタウンズヴィルに設立された。

 津田博司0802