Gordon River

ゴードン川

　ウィリアム王山Mount King Williamの近くに源流があり、ゲット川Gett Riverと合流して南の方へ流れていく。山間部を抜けると西に方向を変え、さらに多くの川と合流して、その後、北西に方向を変えマクウォリー・ハーバーへ注ぎこむ。

　川は1816年にジェームズ・ケリー船長によって探検され、彼に捕鯨船を貸し与えたジェームズ・ゴードンにちなんで、ゴードン川と命名された。1939年には川の両側の森林が保護地区に指定された。ぺダー湖Lake Pedderは、1955年に保護地区に指定されたが、反対を押し切って行われたゴードン川水力発電所建設計画によって、1970年代初めに湖水は増水し、周辺地域が水没した。これによって、ヒューオン川Huon Riverの水の一部がゴードン川へ流れ込むことになった。ゴードン・ダムは1976年に完成したが、ゴードン水系で計画されていた他のダムの建設計画は、さらなる自然破壊に反対する声によって実現することはなかった。1968年には南西国立公園Southwest National Parkが宣言され、1976年には拡大されている。そして1978年にはユネスコ生物保護区となり、その後さらに保護対象地域は拡大し、1982年には世界遺産に指定された。また1980年には、自然河川国立公園Wild Rivers National Parkも指定されている。その後ゴードン川の開発をめぐり、タスマニアのロウ政権と水力発電所計画委員会との対立が起こったが、連邦政府の介入により開発は中止された。

　新村祐規1001