Gold Rush

ゴールドラッシュ、ゴールド・ラッシュ

　オーストラリアの金は早期に発見されていたが、ゴールドラッシュを引き起こすことはなかった。1851年にニューサウスウェールズのバサースト近くでジョン・リスターとトム兄弟が採算の取れるほどの量の金を発見し、エドワード・ハモンド・ハーグレイヴズがこれを広く宣伝して、オーストラリアのゴールドラッシュが始まった。しかし、これに続いて金が発見されたヴィクトリアこそが、真の意味でのエルドラドとなった。バララットやベンディゴウやビーチワースの周辺で大規模な金鉱が発見され、他国や他の植民地から多くの移民が流入した。その結果、1850年から1860年の間に、ニューサウスウェールズの人口は、187,000人から350,000人に、ヴィクトリアのそれは77,000人から540,000人に増加した。1860年代ヴィクトリアは世界の金の3分の1を産出していた。この後もオーストラリアでより小規模であるが、各地でゴールドラッシュが起こった。クィーンズランドでは1860年代にギンピーなどで金が発見され始め、1870年代にはチャータズ・タウアズやパーマ・リヴァーへのラッシュが起こった。ノーザンテリトリーや西オーストラリアでは1880年代に金が発見され始め、このうち西オーストラリアでの金の発見は大規模なものへとつながった。1890年代東部植民地が不況に苦しむ中、ゴールドラッシュにより急速に発展した西オーストラリアは自治植民地となった。1892年にはカルグァリー、1893年にはクールガーディーで金が発見された。

　松本圭一0501