Gladstone

グラッドストン

　北オーストラリア植民地を提唱した、イギリスの植民地大臣で後の首相W.E.グラッドストンにちなんで名づけられた。白人の入植以前は、Bayaliのアボリジナルの居住地であった。南へ続くバスタード・ヘッドBustard Headは、1770年にジェームズ・クックによって、ポート・カーティスPort Curtisは、1802年にマシュー・フリンダーズによって名づけられた。海岸はジョン・オクスリーにより、1823年に探検され、ポート・カーティスへの入り口は1848年に、ラトルスネーク号を指揮するオーウェン・スタンリーOwen Stanleyにより調査された。1847年に、陸軍中佐バーニの下で約200人の流刑囚により入植地(「グラッドストン植民地」と呼ばれた)が建設されたが、その後放棄された。1854年に、自由移民による新しい入植地として公示され、入植者に開放された。ニューサウスウェールズからの分離にあたって、この町をクィーンズランドの首都にする試みは失敗した。1855年に桟橋が建設され、97年にはブリズベンへの鉄道が開通した。しかし、その発展は緩慢であった。

　1960年代中ごろから港の貨物取扱量と人口が急速に増大した。1967年にアルミナの精錬工場がオープンした。その後何度も拡張され、範囲は80ヘクタール、毎年250万トンのアルミナを産出する世界有数の工場となった。漁港としても栄えており、グレイト・バリア・リーフへの観光拠点としても重要である。現在、オーストラリア東海岸で第2の貨物取扱量を誇る港町であり、20万トン級の船の接岸が可能な港湾施設を持つ。アルミナ、アルミニウム、石炭、穀物、セメントなどが主要な輸出品である。

　藤川隆男0603