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Giblin, Lyndhurst Falkiner
ギブリン、リンドハースト・フォークナ
1872‐1951
ホバート、タスマニア生まれ。
経済学者。
大恐慌期から第2次世界大戦直後までの間、オーストラリアにおける財政、関税、雇用、大恐慌への対処及び戦後の経済運営などの分野で活躍した。
1872年にタスマニアのホバートで生まれる。父は、タスマニア州首相などを歴任したロバート・ギブリンである。ケンブリッジ大学キングス・カレッジで数学を学ぶとともに、ラグビーのイングランド代表チームのメンバーにもなった。その後、金鉱の探査、船員、柔術の教師など、世界各地で様々な職を経験した後、1906年頃にタスマニアに戻った。1913年から1916年まで労働党員として、タスマニア下院議員を務めた後、第1次世界大戦に従軍した。戦争が終わると、1919年から1928年までタスマニア政府の統計専門官、1929年から1939年まではメルボルン大学の経済学教授を務めた。ギブリンは、大恐慌期には、賃金引下げの必要性を訴えるなど、デフレ政策を支持する立場であった。一方で、ケインズを理論的に受け入れることはなかったものの、ケインズ経済学に取り入れられた、輸出、国民所得及び雇用の関係には注目していた。その後、連邦の統計専門官(1931‐1932)、連邦助成委員会Commonwealth Grants Commissionの委員(1933‐1942)、連邦銀行理事会の理事(1935‐1942)を務めた。また、1939年から1947年までオーストラリア政府の財政及び経済諮問委員会の委員であった。1951年に、ホバートで死去した。
浅野敬一00