Fraser Island
フレイザ島、フレイザ・アイランド
クィーンズランド南東部、ブリスベンの北250キロに位置する。
人口:ごく少数(2001)。
長さ約160キロ、幅最大22キロで、マングローブとヒースに覆われ、美しい水をたたえる湖が多数存在する島。島の名は、1836年に難破して流れ着いたフレイザ夫妻Eliza and James Fraserに由来する。グレイト・サンディー島Great Sandy Islandとしても知られており、世界最大の砂の島といわれる。本来は、アボリジナルのガビガビGabi-Gabiが住む島であった。キャプテン・クックは、1770年にこの島の沖を通過し、集まった先住民を見て、インディアン・ヘッドと名づけた。1842年には、アンドルー・ピートリーAndrew Petrieが訪れている。1860年に、約3,000人からなるアボリジナルのための居留地として指定される。1870年と1897年にキリスト教布教の拠点が建設された。しかし、1890年までにアボリジナルの人口は約300人まで減少し、1904年に布教団が引き上げた後、生き残ったアボリジナルたちも本土各地へ移住していった。最後のアボリジナルが島をあとにしたのは、1930年代である。
1860年代には木材伐採場が造られ、1882年には材木用の植林が開始された。1913年には、クィーンズランド森林局のキャンプが建設されている。1925年に、製材工場が閉鎖され、材木は直接本土へ送られるようになった。第2次世界大戦時には兵士の訓練場が作られた。1949年に鉱石採掘用に土地が貸し出されるようになり、1971年にはさらに3,240ヘクタールが、鉱物採掘用の借地にあてられ、環境保護団体が抗議を行った。調査後、1975年から鉱物の採掘が行われるようになったが、1977年に連邦政府は輸出を禁じ、島の多くをグレイト・サンディー国立公園Great Sandy National Parkに指定した。採掘も、1976年には、事実上行われなくなった。現在、島は世界遺産に指定されている。
三木一太朗・藤川隆男0403