Franklin, Stella Maria Sarah Miles

フランクリン、ステラ・マリア・サラ・マイルズ

　彼女は、家庭で教育を受けた後に、ソーンフォード・パブリック・スクールで学んだ。家族の経済的没落による移動の連続は、彼女の自尊心に大きく影響し、ナショナリスト、フェミニスト、小説家としての活動の基礎を作った。彼女は父親の失敗を快く受け入れ、精力的な母親と困難を分かち合い、教育の不利を乗り越えた。

　1901年に『輝かしい私の履歴』My Brilliant Careerが出版されると、この作品は反響を呼び、ローズ・スコットやジョゼフ・ファーフィーなどの知己を得た。1906年にアメリカへ渡航し、1907-1915年までシカゴのアメリカ女性労働組合連盟で秘書と編集の役職で働いた。しかし、アメリカの愛国主義の風潮に嫌気がさし、連盟内の様々な矛盾にも直面し、3ヵ月間の休暇を取り、1915年にイギリスへと渡った。多くの仕事を経験し、第1次世界大戦中の1917-1918年には、マケドニアのスコテッシュ女性病院海外サーヴィスに勤務した。1918-1926年の間はロンドンに住み、主に国立都市・住宅計画局に勤務した。

　1927年にオーストラリアへ渡り、1935年から永住した。また、第2次世界大戦の間には、様々なボランティアに従事した。1933年にオーストラリア作家協会Fellowship of Australian Writers に加入し、1935年に、シドニー・ペンクラブthe Sydney P.E.N Club に加入した。1954年に病気のため、死亡した。英国国教会の儀式にのっとり火葬され、遺灰は故郷にまかれた。彼女の遺志によりマイルズ・フランクリン賞がオーストラリア人の作家に毎年送られている。彼女の最も知られた作品は前述の『輝かしい私の履歴』である。ブレント・オヴ・ビン・ビンBrent of Bin Binの筆名で書かれた小説のシリーズは、1966年までフランクリンが著者であることが明確にされなかった。

　新林秀亮0601