Esperance

エスプランス

　1792年に流れ着いたヒューオンの指揮するフランス船L'Esperanceにちなんで、キャプテン・ドントラキャストウによって、1802年に名づけられた。かつてこの地域は、ニュンガーあるいはWudjariのアボリジナルの居住地であった。1841年にエドワード・エアがこの地を探検し、1863年にデムスターDempster兄弟が広大な牧場を設置した。このときの建物は現在でも存在する。1870年には、ジョン・フォレストがポート・アガスタへ向かう途中に横断し、1876年に電信線が開通することで、外部との接触が容易となった。1890年代にクールガーディー金鉱の港として町は成立したが、1896年にパースからカルグァリーへの鉄道が開通すると衰退した。鉄道が開通した1927年以降再び栄えたが、低木ユーカリ林地帯の農業経営には失敗した。エスプランス・ダウンズ研究所が1949年に建てられ、土壌に改良の余地があるとわかった。この発見により、1950年代には、クローバーの導入とアメリカ資本の導入によって農業が著しく発展した。また、ベータカロチン工場が1982年から84年に建てられた。強風が吹くことを利用して、風力発電が行われており、巨大な近代的風車がサーモン・ビーチの近くにある。

　西海孝龍・藤川隆男0103