Dog on the tucker box

食料品箱の上の犬

　いまや、旅行者をひきつける名所となったこの犬の像は、この地方の彫刻家 ラスコニF. Rusconiによって製作されたブロンズ像である。1932年、この地方の最初の開拓者たちを偲んで設置された。像の設置場所はファイブ・マイル・クリークThe Five Mile Creekの堤防上であり、19世紀中ごろから牛車による運送に携わる人々や、その他旅行者の休憩地として好まれていた。

　この犬の像は食糧貯蔵のための箱の上に座り、その中に排便したという牛追いの犬の物語に基づいて作られたのであるが、物語そのものはずっと古い言い伝えだと信じられていた。しかし、実際には1880年代に、『ガンダガイ・タイムズ』に詩の形で載せられたのが物語の始まりである。そこには、「それから 犬は食料品箱の上に座った。ガンダガイから5マイル離れて」とある。ジャック・モウゼズによって人気の出たフォークソング「ガンダガイから9マイル（5マイル）」は後に作り変えられた歌詞である。

　この犬は、実際にはガンダガイから、歌の題名どおりの5マイルではなく、8マイル（13キロ）の位置に置かれている。この食い違いは、道路の建設位置が変更されたことが原因であると考えられている。この道は、旅人がよく使うルートであり、詩やバラッドによく歌いこまれている。最も有名なものは、ジャック・オヘイガンJack O'Haganの1922年に流行した曲「ガンダガイへの道」である。　

　安井倫子00