Colonial Sugar Refining Company Limited (CSR)

植民地精糖会社

　シドニーで設立され、クィーンズランドの発展に大きな役割を果たしたオーストラリアで最も古く大きな会社の1つ。

　会社は1855年に、輸入砂糖精製のエドワード・ノックスの事業をもとにしてシドニーに設立された。ノックス家は20世紀まで会社の経営権を握っていた。最初の工場は、ニューサウスウェールズ北部のクラレンス川Clarenceに建てられたが、その後はサトウキビの生産に最適なクィーンズランドの海岸線沿いに次々と進出していった。さらに工場は、フィジーやニュージーランドにも進出し、クィーンズランドを海外に結びつけることに寄与した。19世紀後半のクィーンズランドのサトウキビ生産は、カナカと呼ばれた、メラネシア人労働者に依存しており、会社は太平洋におけるブラック・バーディングと呼ばれた労働力の調達に深く関与することになった。1887年には株式公開会社として登録され、フィジー、ニュージーランドと同様に、オーストラリアでも最大のシェアを誇るようになった。

　また、会社は早い段階から、クィーンズランド政府の立法によって支援を受けていたが、オーストラリア最大の組織となった世紀の変わり目において、補助金と言う形で、再び政府の支援を受けることとなった。1912年の王立調査委員会を乗り切った後、連邦政府が第1次世界大戦下、精糖事業を統制下に置くことを決定し、それへの対応を迫られた。

　1930年代初頭には、他の様々な分野に進出するようになり、1970年代初めには、鉱山、学術研究、蒸留酒製造などの分野にも進出した。

　新村祐規00