Canberra

キャンベラ

　もとはアボリジナルのNgunnwalの居住地であり、約2万年前までの居住が確認されている。現在もNgunnwalの人々が地域には残っている。

　この地域は1820年から1821年に、チャールズ・スロズビーにより探検され、ライムストーン平原Limestone Plainsと呼ばれるようになる。1823年、植物学者アラン・カニンガムが好意的な報告をした後、1824年キャンベリCanberry牧場が、モロングロウ川のほとりにジョシュア・ムアによって始められた。1825年にはロバート・キャンベルがダントルーンDuntroon牧場を始めた。ここは1910年オーストラリア最初の士官学校に買収される。1829年最初の測量が行われ、1834年にピアリゴウの村が公告され、1835年にはランヨンLanyon牧場が創設された。牧場に現存する建物は、1856年から1859年にアンドルー・カニンガムによって建てられた。

　聖ジョン・アングリカン教会が1841年から1845年に建てられ、最初の学校が1845年ころその近くに建てられた。オールド・キャンベラ・インが1876年にオープンし、ヤララムラ・ハウスYarralumlaが1891年に建設されたが、1913年に総督邸として購入された。

　1911年1月1日、首都特別区の土地が、ニューサウスウェールズ州から連邦政府に移管され、キャンベラの歴史が始まる。国際コンペによって、首都の都市計画は選定されることになり、1912年アメリカ人、ウォールター・バーリー・グリフィンのデザインが選ばれた。1913年、首都建設の始まりを告げる記念石の除幕式が行われ、公共建築物の建設が始まった。1914年鉄道が開通し、1921年フェデラル・キャピタル・アドヴァイザリー・コミッションが設置された。シティ・プランが公示され、1924年郊外のレイアウトが初めて行われた。ザ・ロッジ、すなわち首相官邸は1925年建設された。1926年から翌年にかけてシドニー・ビルディング、最初の民間建築が完成した。旧国会議事堂は1927年に完成し、その年から連邦議会はキャンベラに移動した。1930年キャンベラ・ユニヴァーシティ・カレッジが開校し、戦争記念館が1934年から1941年にかけて建築された。

　キャンベラが本格的に発展するのは、メルボルンの政府機関の移転が本格化する第2次世界大戦後である。戦後、ANU(オーストラリア国立大学)が1946年に大学院大学として発足した(1960年から大学生を受け入れる)。1950年代には、さらに多くの公務員が移動するとともに、郊外が拡大し、首都の計画と建設は、1957年、ナショナル・キャピタル・ディヴェロプメント・コミッションに移管された。1962年、ウォウデンWodenに最初のニュータウンの建設が始まった。さらに、1966年には、ベルコネンBelconnnenの建設が始まった。1963年から1964年、モロングロウ川をせき止めることで、人造湖レイク・バーリー・グリフィンが、キャンベラの中央部に姿を現した。これによって、キャンベラの気候は穏やかになった。1901年創立の国立図書館が1968年に現在の場所に移動し、1980年には、ブラック・マウンテンのテレコム・タワー(現在のテルストラ・タワー)がオープンした。1982年国立美術館がオープンし、1988年にはキャピトル・ヒルに新国会議事堂が完成した。また、2001年に新しい博物館がグリフィン湖畔にオープンした。商業施設が集積している場所としては、シヴィクCivicの他にベルコネン、ウォウデン、タガラノンングTuggeranonがある。

　藤川隆男0503

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