オーストラリア辞典
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Cairns

ケアンズ、キャンズ(Cans)


クィーンズランド北東部、ブリスベンの北約1,720キロ、トリニティー湾Trinity Bayに面する町。
人口:92,273(1996)、46,557(1981)、25,204(1961)、11,993(1933)。


 トリニティー湾に面した都市。1875年-77年にクィーンズランドの総督であったウィリアム・ケアンズWilliam Cairnsにちなんで名づけられた。1770年にジェームズ・クックがトリニティー湾を命名した時、この地域はイディニー・アボリジニナルYidinyの土地であった。1873年にジョージ・ダルリンプルがこの地を探検し、1876年にはホジキンソン Hodgkinsonでの金の採鉱の拠点として町が誕生した。1877年には最初の銀行及び製材工場が設立された。1882年まではポート・ダグラスの方が港として重要であった。砂糖産業が1880年代に成長し、ケアンズの急激な発展を促した。1886年には植物園が開園した。1886年にマイオラMyola、1893年にはマリーバMareeba、1910年にはハーバトンHerbertonへの鉄道が開通した。また、1924年にはブリスベンとの鉄道も開通した。1885年にバラ、1903年にタウン、1923年にシティーとなった。

 砂糖が主な輸出品であり、他に材木や農業生産物、スズも輸出している。観光業がこの町のもう1つの主要な産業であり、グレート・バリア・リーフやアサトン高原への出発地点としても有名である。まだ、ケアンズにはジェームズ・クック大学のキャンパスがある。熱帯性気候で、平均気温は冬が16.7℃から25.4℃、夏は23.6℃から31.5℃で、平均年間降水量は2001mmであるが、ほぼ夏の雨期に集中している。ケアンズの町の北には多くのビーチ・リゾートがあったが、ケアンズの町自体にはビーチは存在しなかった。近年海岸の干潟を人工的にビーチに改造する工事が行われており、住民の間に環境論争を引き起こした。

 遠藤貴弘・藤川隆男0603