Bowral

バウラル、ボラル

　町の名前はアボリジナルに由来し、マウント・ジブラルタルGibraltarを指す言葉、あるいは「高く、大きな」という意味の言葉であったとされる。もとはダラウォルDharawalのアボリジナルの居住地であった。1798年に、この地域はジョン・ウィルソンによって探検された。1815年、測量長官ジョン・オクスリーがこの地域の土地を取得し、牧場を開いてから、徐々に入植が進んだ。1857年、ウィンジカリビー農場が造られたが、その建物はイングランドからキットとして輸入され、組み立てられたものであった。1859年、オクスリーの息子が土地を分割しタウンの場所とし、鉄道の開通を機に周囲の農場を売却した。1863年、タウンが公示され、インもオープンした。1867年には鉄道が開通し、1886年に自治体となった。

　19世紀末から、シドニーの人々の避暑地、一種のヒル・ステイションとして利用されてきたが、とりわけ自動車交通の発展以後、シドニーのビジネスマンの別荘、引退後の居所としてよく利用されている。町にはクリケット選手ブラッドマンのための博物館や、裁判所(1896)、聖ユダ教会(1887)、グランド・ホテル(1887)など歴史的建造物も残っている。

　ボング・ボングBong Bongの入植は、1819年に始まり、1821年に測量が行われた。郵便局、警察駐屯所、配給所などが置かれて栄えたが、郵便局がベリマに移動し、郵便馬車のサーヴィスが停止されて以来、衰退した。

　藤川隆男0403