オーストラリア辞典
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Berrima

ベリマ


ニューサウスウェールズ南東部、シドニーの南西122キロ、南部高地に位置する。
人口:815(1996)、685(1981)、857(1961)、161(1911)、475(1871)、249(1841)。


 町の名前はアボリジナルに由来し、「南方」あるいは「黒鳥」を意味するとされる。かつては、ダラウォルのアボリジナルの居住地であった。1798年ジョン・ウィルソンが探検し、1814年にジョン・ヒュームとハミルトン・ヒュームによって再発見された。1820年頃から入植が始まり、1830年に、測量長官トマス・ミッチェルが、町の場所を決定した。1831年、町の計画が承認され、南ニューサウスウェールズの中心都市とすることが予定されていた。裁判所が建てられたが、1850年にゴールバーンに移動した。1835年に流刑囚による監獄の工事が始まり、1839年に完成する。第1次世界大戦中は、戦時の収容所として用いられるが、1919年に閉鎖された。1949年以来、少年の感化院として利用されている。

 監獄の城壁や門は建設当時のものが残る。サーヴェイヤー・ジェネラル・インは、1839年以来酒類販売を許された、ニューサウスウェールズで最も古くから継続的にライセンスを持つ店である。テイラーズ・クラウン・インやコロニアル・インは、1840年代に建設され、それぞれ、ギャラリーとレストランになっている。裁判所博物館は、博物館であると同時に、観光案内所でもあるので最初に訪れればよい。19世紀後半から鉄道がこの町を通過しなかったので、町は停滞し、そのおかげで町全体が植民地時代の雰囲気を残す。ヒューム・ハイウェイも町を通過しておらず、この静かな町には、週末には観光客が多く訪れる。町のはずれにはオーストラリア最大の古書店、バーカロウがあり、私はそこの常連である。シドニーとキャンベラ間を運転する場合には、ハイウェイを少し外れて、必ず訪れたい場所である。

 藤川隆男0303