Bean, Charles Edwin Woodrow
ビーン、チャールズ・エドウィン・ウドロウ
1879-1968
バサースト、ニューサウスウェールズ生まれ。
ジャーナリスト、戦史家。
父が校長をしていたオール・セインツ・カレッジのあるバサーストに生まれ、オーストラリアとイギリスの両方で教育を受けた。オクスフォード大学を出て、その後ロンドンの法律学校で弁護師資格を取得するなど、法律を学ぶが、オーストラリアに戻った後は報道業界へ転身し、ジャーナリストとなった。1908年に『シドニー・モーニング・ヘラルド』の記者となり、1910年から12年まではロンドンで新聞の刊行に携わっていた。その後はオーストラリア帝国軍つきの公式特派員に同僚の投票で選ばれ、エジプト、ついでガリポリで取材し、フランスにも派遣され、終戦まで戦地にとどまった。特派員として戦争を間近で体験したビーンは、ガリポリで戦った兵士たちの残したメモを集めて編集し、1916年にアンザック・ブック The Anzac Bookとして出版している。その後、今や不動となった戦史家としての地位を確立。オーストラリア戦争記念館の設立に貢献し、第2次世界大戦中には、情報収集に努めるなど情報局のために働いた。1942年には連邦記録保管委員会を統轄した。彼はまた、アンザック神話の普及と維持に貢献した人物としても名を知られており、その主著には12巻からなる『1914-1918年の戦争におけるオーストラリア正史』The Official History of Australia in the War of 1914-1918 があり、このうち6巻を執筆、残りの6巻も編集を手がけた。これには、前線の兵士たちの活動をもとにしてた体験が詳細に盛り込まれており、これによって軍事史の新しい形が確立されたと言われている。
吉田祥子0501