Bass, George

バス、ジョージ

　1771年1月30日にイギリスのリンカンシアで、農民のジョージ・バスの1人息子として生まれた。父の死後、6歳の時に、母とともにボストンへと移り住んでいる。地方の医師兼薬剤師のパトリック・フランシスのもとに5年間徒弟に出された後、18歳の時にロンドンで試験を受けて、外科医組合の会員として認められた。その直後、海軍に入り、いくつかの船で役職を得て、熟練した航海術と流暢なスペイン語を身につけた。

　1795年、ウィリアム・マーティン、マシュー・フリンダーズとともにハンター提督が乗船するリライアンス号でニューサウスウェールズに到着し、同年にトム・サム号でボタニー湾を探検した。翌年にはイラワラ湖へ周航もしている。同様に、様々な探検も行ったが、ブルー・マウンテンズを横断することには失敗した。リライアンス号で南アフリカへ航海した後、コールクリフCoalcliffでの石炭の探索に成功した。 1797年から翌年には1,930キロ南へと探検をして、トゥーフォールド・ベイやウェスタンポートなどを発見し、ウィルソンズ岬を確認した。ノーフォーク号で1798年には豪州大陸とタスマニア島の間の海峡（現在は彼の名前をとり、バス海峡と呼ばれている）をフリンダーズとともに確認し、タスマニアを一周して翌年にシドニーへ戻った。また、彼は科学的調査も行い、ロンドンのリンネ協会Linnean Societyの会員に選ばれている。

　同年、イギリスに帰国すると、チャールズ・ビショップとともに貿易事業に乗り出し、ヴィーナス号を購入し、商品を積んでニューサウスウェールズへと向かったが、失敗に終わっている。 1803年に南米へ密輸品を売るために向かったのを最後に消息を絶った。

　新林秀亮 0501