Australian Elizabethan Theatre Trust

オーストラリア・エリザベス劇場基金

　この芸術振興団体は、1954年のエリザベス2世のオーストラリア初訪問を記念して、オーストラリアにおける舞台芸術を発展させる目的で設立された。これは非営利目的の公営団体で、一般の人々からの寄付金と、連邦政府の補助金で成り立っている。興行師の働きをし、オーストラリアや他の国の役者、演奏者によるドラマ、オペラ、バレエ、ミュージカル、コンサートなど多くを世に送り出した。

　トラストは1956年にエリザベス基金オペラ劇団Elizabethan Trust Opera Companyを設立し、そこから1970年にはオーストラリアン・オペラ the Australian Opera が誕生した。またオーストラリアン・オペラとオーストラリアン・バレエの伴奏をするために、エリザベサン・シドニー・オーケストラと、エリザベサン・メルボルン・オーケストラがそれぞれ1967年と1969年に設立された。そして1979年に耳の聞こえない人のための劇場 the Theatre of the Deaf が作られた。また1962年のオーストラリアン・バレエ the Australian Ballet 設立や、オーストラリア内の様々な地域における多くの劇団の設立を援助した。

　この他に、行政サービスを提供する機能も果たした。1968年に設立されたオーストラリアン芸術評議会the Australian Council for the Artsは、トラストの機能の一部を受け継ぎ、さらにそれは1975年にオーストラリア協議会Australia Councilに引継がれた。トラストは1991年3月に解散した。

　山口典子00