Arnhem Land
アーネムランド
ノーザンテリトリーの北西部及び中北部を占める半島。
名前は、1623年に海岸を発見したフリンダーズによって、1803年にヤン・カーステンツが探検した時の船にちなんで名づけられた。この名前は、以前は、ヴィクトリア川とロウパ川Roper以北の半島全体を指したが、今日ではヨーロッパ・スタイルの農業に利用できない、岩の高地がほとんどである、半島の東半分にのみ適用される。 東部は全てアボリジナルの所有地であり、それ以外の人間がここに入るには許可が必要である。西部はカカドゥーKakadu国立公園の一部になっている。ヴィクトリア州とほぼ同じ面積に約2万人が住んでおり、豊かな自然が残されている。気候は雨期と乾期に分かれ、オーストラリアの固有種だけではなく、ヨーロッパから持ち込まれたブタやヤギなども野生化し、生息している。
アボリジナルは少なくとも2万5000年前からこの地域に居住し、17世紀ころからはマカッサル人など、インドネシア方面から人々が訪れていたと思われる。ヨーロッパ人による内陸探検は1845年のライカートに始まり、1883年にはデイヴィド・リンジーによる測量が行われた。1933年に全体がアボリジナルの居留地となり、1970年には8つのミッションと3つの政府による先住民の定住地が存在した。アボリジナルのコミュニティーの主なものには、オウエンペリーOenpelli(人口741(1996)、508(1976))、マニングリーダManingrida(人口1,328(1996)、702(1981))、ミリンギンバイMilingimbi(人口941(1996)、564(1981))、ナンブルワーNumbulwar(人口619(1996)、422(1981))、イアカラYirrkala(人口521(1996)、543(1981))、ジャビルーJabiru(人口1,696(1996))などがある。ヌーランボイNhulunbuy(人口3,695(1996))は、この地域で最大の町であるが、アクセスは主に空路に依存する。
美谷吉孝・藤川隆男1202