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Aranda
アランダ
Arrernte、Aruntaともつづる。アリス・スプリングスも含む、ノーザンテリトリー南部の20万平方キロ以上にわたる地域で共通の言語を話す集団である。E.ストレイロウやエルキンはこれを5つの小集団に分類している。この言語の最近の特徴としては、頭の子音がなくなり、多くの言葉の最初が母音で始まるという現象がある。
白人侵略後の100年間、アボリジナルは固有の宗教を持たないといわれていたが、19世紀から20世紀への転換期に、メルボルン大学のボールドウィン・スペンサーやフランシス・ギレンの研究、The Native Tribes of Central Australia(1899)によって、アランダの人々の宇宙観、宗教儀式などが明らかにされた。彼らの研究はアボリジナル研究の端緒となり、オーストラリア各地のアボリジナルに適応されていく。
1900年頃のアランダの人口はおよそ2,000人であったが、1927年までにはこれが400人程度に減少したと考えられている。この時期、T.G.H.ストレイロウはアランダに関する詳しい記録を残している。アランダの人々は西洋画法を学んで芸術表現を行った最初のアボリジナルの集団でもある。
小山明日香・藤川隆男0704