Anzac Pact

アンザック協定

　オーストラリアとニュージーランド間の安全保障条約で、1944年2月１日に施行された。オーストラリア・ニュージーランド協定、ニュージーランドではキャンベラ協定としても知られる。オーストラリア外務大臣H.V.エヴァットの主導のもとに、1944年1月キャンベラで開催された会議で、この協定が協議された。日本に対する反撃作戦と戦後の処理に関する両国の主張をまとめたこの会議は、それまで戦争に関して両国の意向が取り入れられなかったこと、とりわけカイロ会議から除外されたことへの不満を表明する場となった。

　アンザック協定の重要な目的は、地域防衛や安全であり、オーストラリアの北方および東方のオセアニアの島々を含む地域が、それぞれオーストラリア、ニュージーランドの責任のもとにおかれた。その区域には、アメリカが設置した基地も含まれた。しかし、この協定の公表は、アメリカを中心とする海外だけでなく、国内からの批判も招いた。オーストラリアでは、連邦野党がエヴァットの高圧的な態度を非難した。アメリカの憤りを和らげるための試みがなされたが、それは1951年のアンザス協定へとつながった。

　アンザック協定の具体的な成果は、1947年の南太平洋委員会の設立で、太平洋諸島の教育・農業等の計画が調整されたが、1970年代に太平洋フォーラムに取って替わられた。

　中西雅子00